2010/08/05

A邸 お届け

埼玉県川越市のA邸へ家具全般をお届けしました。


実は今回のお届け、いつもとちょっと違います。
通常ですと、ご来店の際に必要としているもののお話を伺いながらデザインを起こし、図面や絵でご提案させていただいてから制作に入るのですが、今回のA様邸は、建築士さんからご依頼を受け、建築士さんとデザインを一緒に考えながら作っていくという、通常の3rdのスタイルとは違った形で家具を制作しました。

家の設計段階から何度も打ち合わせを重ねること・・・約半年!やっと今回のお届けとなったのです。・・・長かった!

この川越のA邸は、二人の設計士さんで共同設計されているお家です。
まずは簡単に建築士さんのご紹介。
敷浪一哉建築研究所の敷浪さんと、白子秀隆建築設計事務所の白子さんです。
30代のさわやか&オシャレなお二人です。
お二方共にホームページがあるのでご興味ある方は是非!興味がなくても是非!素敵な家をつくってます!
僕も家を建替えの際はお願いしようと企んでおります。
10年以上は先になりそうですが・・・

敷浪一哉建築研究所 http://www.shikinami.net/
白子秀隆建築設計事務所 http://www014.upp.so-net.ne.jp/shaa/

本題にはいりますが、最初の出会いはホームページでした。ビバ!ネット社会!!
ホームページよりお問合せいただき、実際にお会いしてお話を伺うことになりました。

最初の流れは敷浪さんと白子さんが作った、「こういったものが欲しい」という叩き台を元に3rdの仕様を注入しデザインを起こしていきました。お二方のイメージを壊さないように工場長も交えながらの打ち合わせ。
家具のデザインを起こす場合は構造も考えなければならないので、一筋縄ではいきません。
難しい部分があったり、「ここはこの方がいいんじゃない?」という、みんなの意見がぶつかり合って大変ではありましたが、とても充実した時間でした。
でもこれももう昨年末の事です。時の流れは早いなぁと年を重ねるごとに改めて感じております。(はぁ~)

それでは一点一点家具のご紹介をしていきます。



まずは玄関入って正面の下駄箱です。
写真では全体像がわかりづらいと思いますが、玄関入って向かって右側がお風呂、左にサウナ室、向かいがトイレになっています。なので、右側のお風呂場の横には洗面を付けることに。
実は、この家具のみ造り付けなので、先行して家の施行中に取り付けに行きました。
通常の採寸と違い、天井、壁、床が完全に出来上がる前に採寸し製作したので、ちょっとと不安もありましたが、問題なくバッチリ納まりました。 
素材に関しては周りが水場に囲まれているのでポリ、メラミン材で製作。スッキリとしたキレイな玄関になりました。
[素材:ポリ/メラミン サイズ:W.3120 x D.350 x H.2100]






次に玄関入って右の部屋ですが、こちらは施主のお母様の部屋になります。
玄関とキッチンの仕切に設置したのがこちらのサイドボード。玄関側は下駄箱として、キッチン側からはキッチンボードとして両面使いができる仕様になっています。
キッチン側の天板にはコンセントを移設をし、レンジや炊飯器が置ける様に広くスペースをとりました。
ちなみに、玄関側から見える6つの扉のうち開くのは手前の2つだけです!奥の4つの扉は見た目を揃えるための化粧扉になっています。
[素材:ナラ突板/内部:ポリ サイズ:W.2400 x D.450 x H.1200]





2Fにあがると広々としたLDKになります。このLDKの真ん中には今回のメインともいえる大迫力のダイニングテーブル。普段はご家族5人でご使用になられるのですが、サイズは2400×1200とビックサイズなのでお客様がいらした時でもゆったりとくつろげます。天板の下、脚となる部分にはたっぷりと収納スペースを設け、炊飯器やレンジが置けるようになっています。スライドトレーにし、もちろんコンセントも移設。反対側の脚は、逆に小さく、目立たない様なデザインにしてます。
天板は水や汚れに強い様にガラスコーティングを施し、テーブルの上で簡単な調理もできるようシンクを取り付け、天井にはダクトも設置してあります。
[素材:チェリー無垢/突板 サイズ:W.2400 x D.1200 x H.700]





ダイニングテーブルの向かい側には、チェリー突き板のサイドボードを。内部は、収納する物のサイズや量に合わせられる様、あえてシンプルに可動棚のみです。
今まで、3rdのサイドボードは台輪であったり面脚での製作が多かったのですが、テーブルの脚の様に4本の脚+幕板で支える仕様にしています。敷浪さんが”ナスに割り箸みたいなバランスが好き”という事で
このデザインをおこしました。かっこよいです。実物を見て定番のデザインにしたいなぁと思っております!
[素材:チェリー突板/無垢 サイズ:W.2250 x D.450 x H.900]





暖炉を挟み、横にあるのがTVボード。当初ベンチ兼TVボードというプランでしたが、実際そんなとこに座らないだろうという事でベンチプランはなくなりました。
高さを窓に合わせ、抜け感を重要視したTVボード。高さを抑え幅を長くする事によりとてもスタイリッシュな印象になったと思いますが如何でしょうか?。また右側は飾れるようあえて天板を途中でやめ、余分なコードを収納するスペースをつくっています。
[素材:チェリー突板/無垢 サイズ:W.2700 x D.450 x H.370]




そして最後に座卓です。デザインは3rd定番のブリステーブル。幕板がなく蟻型吸付桟というもので反りを止め、脚を一番端に付ける事により圧倒的に足回りが広く取れる無垢のテーブル。一見すると板と棒のシンプルな形状ですが職人の技がないとできません。今回変え脚(長い脚)も一緒につくり来客の際等はダイニングテーブルとして使える仕様にしています。
[素材:チェリー無垢 サイズ:W.1750 x D.850 x H.350]





今回初めての事も多く不安な点、例えば壁の無い状態での採寸や水廻りとの絡みなど多々ありましたが、家具がぴったりと収まってくれた時は本当にほっとしました。
部屋が広く天井が高い+家具を低めでつくっているので全体の開放感、抜け感がとても気持ちのよいリビングダイニングです。また床は家具と同じチェリー材なので部屋全体のまとまり感がすごいです。
このお家は最近よくあるデザイン住宅のような無機質感だけ(雑誌等でみる個人的なイメージ)ではない暖かみのあるお家。
何よりも感じたのは光の入り具合でした。このお家マンションに囲まれているのですが奇麗なやわらかい光が入ってきます。プロヴァンスにいる錯覚に陥るほどです。当たり前ですが凄く考えて設計してるんだなぁと改めて強く実感しました。センスのよいナイスな人柄の建築士お二方とお仕事ができ、家具製作のご依頼を頂いた事をとても嬉しくおもいます。
最後に記念写真! 左から敷浪さん、白子さん、オーナー、僕。

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