今回のブログですが、実は昨年暮れのお届け事例で少し遅い更新となります。
S様、大変お待たせしました!
さて今回のお届けしたトラディションテーブルですが樹種はモンキーポット、サイズが1700mm×960mm、厚みは70mmと本当に立派な一枚板でした。
馴れ初めは、お引っ越しを機にダイニングテーブルをお探しのS様が、昨年の12月初旬に3rdが掲載された雑誌<Discover Japan Design>をご覧になり、たまプラーザ店へお越し頂いたところから始まります。
マンション購入後の内覧会を終えて、幾つかのインテリアショップを回っていましたが、まだまだボンヤリとしたご自身の持つイメージに近い商品を模索検討中だったS様。
3rdにご来店されて、真っ直ぐ引き寄せられるように一枚板のコーナーに!!
お声を掛けさせていただくまでの時間、ジーっと板を見つめていらっしゃいました。
しばらくして如何ですか!?とお声掛けすると、
「これ、イメージにすごく近いのですが、今度の部屋には大きいかも知れない・・・。」
と板の前で一言。
当然、一枚の無垢板なので多少の長さであれば調整可能ですが、一枚板は樹齢を重ねて幅方向を作ります。そして切り出した後の乾燥にかける時間が本当に長い!
そして、単純に大きな木から良い板が取れるという訳でもないのです。
伐採後、乾燥工程を経ていない木材は<生材>と呼ばれていて、その含水率は樹種にもよりますが、広葉樹で70%前後という状態。
十分に乾燥されていない木材は重くて腐りやすく、収縮・変形して強度もありません。材料として適した含水率に調整するためにたっぷりと時間を掛けて乾燥させるんです。
そのあと職人が削りだし製材して行きます。
下の写真は、含水率を計測しているところです。
木材は乾燥中に<反り・捻じれ・割れ>を起こし、とくに水分を多く含んだ木表(樹皮側)の方向に反り上がります。
その反り上がった木表の底辺と木裏(中心側)の両端に合せて厚みを決めるので、中々大きい厚みに仕上がった材が取れないし、割れてしまうために長さも取れません。
「今ご覧になっている板は、その過酷な工程に耐えて勝ち残ってきた希少な板なのです。本当は、今製作し得る最大限を使っていただければ・・・。」
と、力説するスタッフに「そうですよね!一度帰ってよく確認してきます。」とその日はお帰りになりました。
その後、数日たった夕方にS様からお電話を頂きました。
「先日見た一枚板はまだありますか!?」
色々悩んだ結果、どうしてもあの板が気になって仕方がないので部屋のレイアウトを相談したい。可能であれば、先日見た大きさをそのまま使いたいとの事でした。
翌日、再度ご来店いただき、リビング・ダイニングのプランについてお話をさせていただきました。すると一枚板の大きさはまったく問題ありません!
今は座卓として使用し、将来はダイニングテーブルとしても使いたいとのご要望でした。
それであればウォルナットのT字脚を組み合わせて使用されては!?素材こそは違いますが、雰囲気は合うと思います。と紹介させていただくと「これは良いですね!」とすぐにOK!こちらでお届けすることになりました。
そして、もう一点
座卓の前に置くAVボードもお探しだったS様は、新作として展示してあったTVボードを見ながら「そこにあるTVボードは、この部屋に入りますか?セットで欲しいんです。」とウォルナット材でサイズ1600mm×450mm×330mmのM・TVボードもご注文頂きました。
座卓を置く空間での使用に合せたTVボードなので、高さの無いテレビ台をお探しだったS様のご要望にピッタリです!
翌週の引っ越しに間に合うようにと展示品でのご購入となりました。
配送時、当初のレイアウトを何通りか実演しながらのお話で盛り上がってしまい、ついつい長居をしてしまいました。
S様ありがとうございました。
木材の経年変化とライフスタイルの変化を楽しみながらご新居での生活を存分に楽しんでください!
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